クラッチ歩行の姉妹に聞く住宅の福祉住環境

1　改修箇所について

我が家には二人の足の不自由な子どもがいまして日頃いろんな道具を使って過ごしています。

昔は段差だらけだったんですけど、段をなくして杖でも歩けるようにしました。
トイレは最初は開き戸あったんですが、引き戸にしてから移動もしやすくなり入りやすくなりました。
お風呂と洗面所の段差をなくして入りやすくなりました。お風呂には手すりを付けて洗ったりすることができるようになりました。
以前 和室だったところを洋室にして、段差をなくして電動ベッドを置いて寝室にしました。

2　リフォームのポイント

地域の工務店で建てられた住宅を購入されお住まいでしたが、各部屋に段差がありお子様の成長に伴って日常に不自由さを感じられるようになりご相談に至りました。

改修計画ではすべての部屋の段差を解消するために、高さの基準を居室とLDKの仕切りに合わすことにし玄関ホールから廊下を床上げして高さの基準を作りその高さに合わせて各部屋の床上げをしました。各部屋の床のフローリングを施工するにあたり素足での生活での寒さ対策として居室とLDKに床暖房を設置しました。

また 介護ベッドの導入に伴い和室を洋室にして段差を改修しました。

水まわりについてはトイレの段差を改修するにあたり、便器が旧式で便座高が低かったことから便器交換とオート開閉式の便座を取り付けました。また 扉を開き戸から引き戸に変更しました。
浴室は湿式 タイルで寒さに課題もあったためにユニットバスに取り換えて段差改修と合わせて対応しました。

3　福祉用具の紹介

この電動イス 上げ下げできる椅子がすごく助かっていて、補装具をつける時には低くして　歩き出す時には高くしてこの電動イスですごく助かっています。
あと、回転クッションも前後したりして助かっています。

玄関の外と中に段差解消の用具を置いていただきました。それで上りやすくなってます。

4　昇降座椅子のポイント

装具の装着に当たり、台を置いて対応をされていましたが、取り付けされる際の動作に手間取っておられることをお聞きしました。

昇降座椅子は、ある程度コンパクトで、高さを容易に変えられることから、車椅子やベッドに移譲する際に有効で、下肢に障害をお持ちの方に多く提案してきました。
今回、装着時には足がつかない高さまで上げられ、固定時には高さを下げることのできる昇降座椅子が適していると判断しました

また、装具の装着後は足を地面に下ろし、立ち上がりやすい高さに高さを変えることで歩行の安定性を担保出来ることから提案しました。

5　動画視聴者へのメッセージ

普通のイスで補装具を履かせたりしていた時なんですけど、台を置いたり、滑り止めを置いたりして苦労はしてたんですけど、こういうアーサーさんに紹介していただいた電動イスは、上がったり下がったりするので装具を履かせるときには下げて、歩き出すときにはあげたりして、こういう電動イスがあるのでとても便利になりました。

前の家は段差が多く、娘たちも動きにくいところが多かったのですが、リフォームをして段差を改修していただいて、とても快適に過ごすことができています。どうぞ皆さんも快適に生活できるように考えてみてください。

6　福祉住環境を学ぶ方へ

室内を歩行補助杖や歩行器を使用されている方の住環境を考える場合、クラッチ等の種類と特徴を把握し、歩行の安定を考えた上で、各部屋への移動を計画して行きます。
ここで、注意すべき点は、ミニスロープなどで段差を解消する場合は、装具等を使用した足がスロープに乗る瞬間に、不安定な状態になる点です。

長く安全に生活出来る環境を確保するためにも、住宅改造助成事業などを上手く活用し、出来るだけ各部屋の高さを同じに整えて段差を解消するなど、しっかりと環境を整備して生活の質の向上を心がけて下さい。

また、福祉機器については一般的な使用方法にとらわれず、うまく活用できそうな機器があれば活用方法を積極的に検討してみて下さい。
家族で楽しく暮らせる環境を作り上げることは、大きな喜びとやりがいに繋がりますので、ご家族と一緒に細かい点も配慮しながら、ご自身も楽しんで進めて行って下さい。

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